研究課題
同時多発テロ事件以降、欧米を中心として国家安全保障を目的とした中性子検出器の国境、空港、湾岸への大量配備が行われてきた。それに伴い、検出器に従来用いられてきたHe-3ガス資源の不足は顕在化し、He-3ガスを用いない中性子検出器の開発が課題となっている。He-3代替の本命は無機固体シンチレータを用いた検出器で、無機固体シンチレータにはリチウム系とホウ素系がある。これまでは主にリチウム系材料が検討されてきてきたが、本研究はより資源が豊富で理論上検出効率が高くなるが、研究が進んでいなかったホウ素系材料について探索研究を実施した。本研究では候補となるガラス、セラミックス、単結晶について作製、評価し、系統的な探索研究を実施し、研究成果は学術論文や学会発表によって適宜公開した。CsLiB6O10単結晶、Li2B4O7単結晶及びセラミックス、Ce添加CaF2-Al2O3-B2O3ガラス、Ce添加SrF2-Al2O3-B2O3ガラス、Ce添加BaF2-Al2O3-B2O3ガラス、Ce添加SrO-B2O3ガラス、Sn添加MgO-Al2O3-B2O3ガラス、Sn添加ZnO-B2O3ガラス、Eu添加BaAlBO3F2(BABF)結晶化ガラス、などの研究結果については査読付き英語論文誌に投稿し、受理された。また、Ce添加CaF2-Al2O3-B2O3ガラス、Ce添加SrF2-Al2O3-B2O3ガラス、Ce添加BaF2-Al2O3-B2O3ガラス、Ce添加Li2O-B2O3-SiO2ガラスについて国際学会で、Ce添加YBO3セラミックス、Zn4B6O13セラミックス、Eu添加Li3PO4-B2O3ガラス、Eu添加SrO-Al2O3-B2O3ガラス、Ce添加BaF2-Al2O3-B2O3ガラス、などについて国内学会で報告した。ホウ素系中性子シンチレータの広範な実用化に向けた成果が得られた。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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