本研究では、主に3つの成果を得た。一つは鉛208と酸素16の核子移行反応から生じる複合核の核分裂を計測し、核分裂片のエネルギーや質量などの分析をする実験結果。二つ目には、フランスの研究所CEAが保有する核分裂理論モデルFIFRELINの改良や、同コードを使った実験結果の分析を行い、核分裂の背景となる物理の理論的解析を行ったこと。そして、核分裂と競合する過程である蒸発に関しては、JAEAが開発する蒸発反応モデルGEMやEBITEMの改良を行い、最新のデータベースや今まで考慮できなかった物理過程を取り込んで計算可能にしたことである。
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