研究実績の概要 |
2018年度から2019年度にかけて埼玉大学山口研究室在籍時に得られた結果をまとめた論文が,Chemical Communication(Chem. Commun., 2020, 56, 4563)に掲載された.2020年度はこの内容を含めた研究結果についてPacifichem 2020において招待講演を行う予定であった("Water related interfaces investigated with heterodyne-detected sum frequency generation spectroscopy", Yuki Nojima, Shoichi Yamaguchi)が,学会が2021年に延期されたため発表を行わなかった.延期された学会において引き続き同じ題目で講演を行う予定である.
2020年度は埼玉大学から筑波大学へと異動したが,4月中旬から6月中旬まで新型コロナウイルス感染症対策のため,研究室に入室することができず,その期間実験を行うことができなかった.また,登校再開後も分光測定に用いるレーザー光源の出力が測定ができなくなるほど低下し,レーザー励起ダイオードを交換する必要が生じた.レーザーダイオード交換後も,測定に十分な出力を得られないことが続き,研究を進めることができなかった.2021年になり,測定に十分なレーザー出力を得ることができるようになったので,2021年度に表面に電荷を持つ脂質膜を有する氷表面の分光測定に取り組む予定である.表面に脂質単分子膜を有する氷表面の和周波発生(SFG)分光を行うにあたり,まずは凝固点付近での脂質単分子膜/水界面の水分子の配向について調べ,室温での結果と比較する.さらに過冷却状態での測定も試みて,最終的に氷表面の測定を可能とすることを目指す.
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