本研究では、電気エネルギーを生み出す舞台となる電極電解液界面を、原子・電子レベルで解析することの出来る理論的方法を開発することが出来た。開発した方法には、従来の方法の一般化に対応するもの、従来の電極電解液界面電子移動エネルギー変化の計算に内在する曖昧さを除くもの、一定電圧に保たれた二つの電極の電子状態を如何にして決定するかの新たな定式化、が含まれる。これらは電気化学系に対する理論を前進させたという学術的意義は勿論のこと、これらを基にした方法で電極電解液界面の解析をして得られる正確で新たな知見が、より適切に電気エネルギーを利用するデバイスの開発の基礎となる、という社会的意義を持つ。
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