界面や表面におけるフォトクロミック反応は、表面物性の光スイッチングや液晶分子配向の光制御などにおいて重要な役割を担っている。こうした光機能性材料の機能発現過程の解明を目的として、界面の過渡吸収分光に相当するフェムト秒時間分解電子和周波発生分光装置を構築し、フォトクロミック分子の超高速異性化反応の分子機構や反応の支配因子の解明に取り組んだ。過渡吸収分光や時間分解振動分光を援用し、測定に適した分子系の選定を行うとともに、測定上問題となった試料の劣化を解決するために回転試料ステージを導入し界面の計測を進め、本手法の機能性材料などの広範な試料系への応用の端緒を開いた。
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