研究成果の概要 |
水分子,重水分子を希ガス固体中に分離し,赤外吸収分光法を用いて,核スピン転換速度を測定した.転換速度の温度依存性が,代表者が考案した「分子単量体の転換モデル」によって良く再現されることを示し,モデルの妥当性を証明した.水分子クラスターについては,60-7000 cm-1という広範な波数域を網羅するテラヘルツ・赤外吸収分光法と,新たに開発した第一原理計算法を用い,未解明であった2, 3, 4量体の分子間振動モードを特定した.そして,2量中の水分子の核スピン転換を観測することに初めて成功した.また,異種クラスターの転換研究の基盤となる,「水素,メタン分子単量体の核スピン転換速度」を決定した.
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