蛍光イメージングによって生体深部を観察する場合、近赤外領域で高効率に発光する蛍光プローブを利用することが望ましい。本研究では、そうした色素を得るために長軸対称型双極性ピレン誘導体に着目し、その合成法の確立と応用を目指した。結果としては、長軸対称型双極性ピレン誘導体は得られなかったものの、同ピレン誘導体を得るための有効な原料分子となる 1, 3-ジブロモピレンの合成法を見出すことができた。また、ピレン含有ナノエマルジョンの作成と生体深部イメージング、ナノエマルジョンの表面修飾技術の開発など、長軸対称型双極性ピレン誘導体を用いた将来の応用に関する要素技術については多数の成果が得られた。
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