研究課題
新規含窒素多環芳香族化合物(テトラアザ[8]サーキュレン、アザ擬サーキュレン、アザヘリセン、トリアザオキサ[8]サーキュレン、ジアザジチア[8]サーキュレン、コロールテープ、ダブルデッカー型コロールテープガリウム錯体、他)の合成を行い、それらの詳細な構造解析に加えて、高溶解性・高発光性・動的挙動・磁気特性といった様々な機能を見出すことができた。これらは分子の集合挙動や三次元構造変化とも密接に関わる性質であり、目標としていた高次機能化を実現できたと考えている。安定なジブロモトリピリンに対する求核置換反応により、π共役二重らせん分子やジアザヘキサフィリン、ジアザポルフィリン、ジアザカルバポルフィリンなど興味深い分子群の開拓に成功し、それらの性質を明らかにした。求核置換反応はコロールに対しても有効で、初めてのメゾアミノ化コロールの合成に成功した。ポルフィリノイドへの典型元素の導入により、コロールのケイ素錯体やオクタフィリンのゲルマニウム錯体など、興味深い発光性や円二色性における高い非対称性を示す錯体を合成した。これらの研究を進める中で、かさ高い置換基無しでもヘテロナノグラフェンが溶解する性質、安定なラジカルカチオン及びジラジカルの単離、低温での分子内プロトン移動の観測といった多くの予想外の現象の発見をし、今後の研究にも繋がる成果を得た。今後はこうした新規分子ユニットを拡張してポリマーへと展開する化学に挑戦したいと考えている。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 5件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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