ゲスト受容部位として側鎖にボロン酸部位を導入したポリ(キノキサリン-2,3-ジイル)にキラルアルコールを作用させ、主鎖にらせん不斉を誘起した。1-フェニルエタノール類縁体が強いらせん不斉誘起能を示し、S体が右巻きらせん構造を誘起する傾向がみられた。また、光学活性側鎖を有するポリキノキサリンに三座型配位部位を導入した右巻きらせん高分子配位子を合成し、Ru触媒によるアセトフェノンの不斉水素移動型還元反応をおこなったところ、ゲスト応答型らせん不斉誘起において右巻きらせんを誘起するS体のアルコールが得られた。これによりキラルゲストと反応生成物が同一となる不斉増幅反応の妥当性が示された。
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