本申請研究では、キラルバナジウム触媒を用いる酸化的ヘテロカップリング反応の開発を行った。その結果、3-ヒドロキシカルバゾールと2-ナフトールを1:1の割合で用い、新規に開発した単核バナジウム錯体を作用させると、目的のキラルビアレノール誘導体が良好な収率と最高88% eeで得られた。酸化的ヘテロカップリング反応でしばしば問題となるホモカップリング体の形成は5%未満に抑えることが出来た。また、本反応では、フェノール性ヒドロキシ基、ピナコラートボリル基、およびハロゲノ基を持つ反応基質を用いても、対応する生成物が良好な収率と高いエナンチオ選択性で得られ、官能基許容の高さも示すことができた。
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