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2018 年度 実施状況報告書

キラルなケイ素錯体を用いた環境にやさしい不斉合成手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K14221
研究機関大阪大学

研究代表者

近藤 健  大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (10816846)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード不斉触媒 / 不斉合成 / ルイス酸 / ケイ素 / BINOL / ホウ素
研究実績の概要

安価で入手容易なBINOLと四塩化ケイ素を用いて、環境にやさしいキラルなケイ素錯体の合成を行った。研究開始当初は高純度で合成することは困難であったものの、試薬の当量や反応温度を検討することで、濃縮と洗浄のみによって高収率、高純度で目的のケイ素錯体を合成することに成功した。得られたケイ素錯体を用いて、不斉Pictet-Spengler反応やケトエステルの不斉ヒドロシリル化や不斉シアノ化に展開した。ケイ素錯体の合成で得られた知見をフラストレイディド・ルイスペアの概念と組み合わせ、多機能性ケイ素不斉触媒の合成を行った。天然物であるキナアルカロイド等の入手容易な不斉触媒のアルコール部位にジクロロジフェニルシランを作用させることで、ルイス酸部位としてケイ素を、ルイス(ブレンステッド)塩基としてキヌクリジンを有する有機分子触媒の合成に成功した。本触媒は市販の触媒から1ステップで合成することが可能であるだけでなく、塩素部位をアセテートやトリフラートに変えることで、ルイス酸性度を変えられるとともに、ジフェニル部位を変えることで、不斉場のチューニングも可能である。また、環境にやさしいルイス酸として、ケイ素だけでなく、ホウ素に着目した不斉触媒および不斉反応への応用も行った。光応答性分子とBINOLを組み合わせた配位子を合成し、ホウ酸トリメチル存在下、不斉Pictet-Spengler反応の検討を行ったところ、照射する光の波長によって目的生成物のエナンチオ選択性が変わるという興味深い知見が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

BINOL由来のキラルなケイ素錯体の合成に成功し、不斉反応への展開を行った。また、キナアルカロイド等の他のキラル分子をケイ素錯体に変換することにも成功し、ケイ素錯体の合成手法を確立できた。環境にやさしいルイス酸としてケイ素だけでなく、ホウ素を用いる触媒反応にも展開した。

今後の研究の推進方策

ケイ素錯体は反応性に課題が残っているため、3,3’位の置換基を検討し、触媒ライブラリーを拡充する。電子求引性基や捻れを誘起する立体的にかさ高い置換基によって、触媒の反応性を向上させる。また、多機能性ケイ素不斉触媒に関しても、触媒ライブラリーの構築を行い、不斉反応へと展開する。さらに、ホウ素を用いた不斉反応に関しても検討を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Development of Novel Photoswitchable Chiral Catalyst2019

    • 著者名/発表者名
      近藤健、中村顕斗、笹井宏明
    • 学会等名
      日本化学会第99春季年会
  • [備考] 産業科学研究所 笹井研究室 学会発表

    • URL

      https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/soc/socmain.html

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公開日: 2019-12-27  

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