研究成果の概要 |
本研究では, 面不斉フェロセニル基を有する新規光学活性ハロゲン結合供与型触媒の開発研究を行った. 面不斉フェロセニル基を有するアルキンとトリアゼンとの酸化的[3+2]環化付加反応と, つづく脱プロトン化的ヨウ素化反応により不斉ヨードトリアゾリウム塩が良好な収率で得られることを見いだした. また, このヨードトリアゾリウム塩がアルデヒドのシリルシアノ化反応における触媒として機能することを明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヨウ素は日本が産出国世界第2位であり, 日本にとって貴重な資源であるにも関わらず, 日本発の高付加価値ヨウ素含有材料の開発は十分になされていないのが現状である. 本研究では, 環境調和性に優れた次世代型ルイス酸触媒として期待される有機ヨウ素触媒について, 不斉触媒への展開を目指し, 新規キラルヨードトリアゾリウム塩の合成法を開発した. また, 合成した有機ヨウ素触媒がアルデヒドのシリルシアノ化や二酸化炭素とエポキシドとの環化付加反応を効率的に促進することを見いだした.
|