• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

有機ホウ素触媒を駆使したポリオール類の自在化学変換

研究課題

研究課題/領域番号 18K14229
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

草野 修平  国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (80759291)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードベンゾオキサボロール触媒 / ポリオール / 位置選択的化学変換 / 分子認識 / グリコシル化 / 糖鎖 / 抗生物質
研究実績の概要

類似の反応性を示す水酸基が集積化したポリオール類を直接的かつ位置選択的に化学変換することは,最先端の分子変換反応を以ってしても容易ではない.そのため,現行では保護基を用いて所望する水酸基以外を不活性化することで,ポリオール類の化学修飾における反応位置を制御している.しかし,保護基の脱着にかかる多段階の合成工程は,ポリオール類の合成効率の低下を招いている.この点は,ポリオール類に関連する創薬や生命科学研究を遅延する主要な要因となっている.
この解決策として,本研究では,ポリオール類に共通するcis-1,2-ジオール構造を認識・活性化するベンゾキサボロール(BO)触媒を基盤として,ポリオール類の直接的・位置選択的・構造多様性に富む水酸基変換反応の開発することを目的とした.本研究に着手した時点で,BO触媒による水酸基変換反応は,アシル化やアルキル化など水酸基上におけるシンプルな求核反応に限られていた.BO触媒により誘導化されるポリオール類の構造多様性を拡張するために,本研究では,ホスホリル化,酸化,グリコシル化,脱酸素的フッ素化反応などについて検討を行った.前年度にホスホリル化と酸化反応に成功し,最終年度である本年度はグリコシル化に成功した.新たに開発したこれらの水酸基変換反応を用いて,抗生物質の誘導化および糖鎖の中間体合成の検討を行った.3つの二級水酸基を持つ抗生物質ムピロシンを基質として,BO触媒による水酸基変換反応を実施したところ,cis-1,2-ジオール上で選択的に反応が進行することを見出した.また,BO触媒のグリコシル化を駆使することで,最小限の保護基の利用で糖鎖合成中間体の合成にも成功した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Benzoxaborole Catalyst for Site-Selective Modification of Polyols2020

    • 著者名/発表者名
      Kusano Shuhei、Miyamoto Shoto、Matsuoka Aki、Yamada Yuji、Ishikawa Ryuta、Hayashida Osamu
    • 雑誌名

      European Journal of Organic Chemistry

      巻: 2020 ページ: 1598~1602

    • DOI

      10.1002/ejoc.201901749

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exciton-coupled circular dichroism-based glucose and galactose selective sensing in aqueous media with an anthracene-appended benzoxaborole dimer2020

    • 著者名/発表者名
      Kusano Shuhei、Ichikura Yuma、Fujimoto Kazuhiro J.、Konishi Sae、Yamada Yuji、Hayashida Osamu
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 49 ページ: in press

    • DOI

      10.1246/cl.200244

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi