配位子チアカリックスアレーン-p-テトラスルホン酸(TCAS)と異種ランタニド(Ln)からなる異核Ln-TCAS錯体の選択的合成法の確立を目的として研究を行った.分取液体クロマトグラフィーを用いて中間体(Tb1TCAS1, Yb1TCAS1)の分取に成功した.この中間体のうち,Yb1TCAS1のサンプルにTb水溶液を添加することで異核Ln-TCAS錯体であるTb1Yb2TCAS2錯体を選択的に合成することに成功した.一方,同核・異核Ln-TCAS錯体の混合物サンプルを用いて近赤外励起によって可視光発光が観測され,f-f communicationによるアップコンバージョン発光を示した.
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