Sc、Ruを中心金属に有するピリジンビスアミド型環状錯体を新たに合成し、その分子構造解析を詳細に行った。Sc錯体についてはその親水性を利用することで、[2]ロタキサンおよび[3]ロタキサンの効率合成を達成した。Ru環状錯体については、6配位であることを利用してホスフィン配位子との配位子交換を成功させ、錯体の溶解性を飛躍的に上昇させることが可能であった。 環状錯体を用いた触媒反応開発について、Sc錯体ではDilels-Alder反応を試みるも、特徴的な結果を得るには至らなかった。Ru錯体ではジフェニルアセチレンのヒドロシリル化を試みたところ、通常とは異なる生成物を得ることに成功した。
|