研究課題
若手研究
ハロゲン結合性のエラストマーの力学物性について、実験・シミュレーションの観点から評価し、その強化機構の解明を目的とした。実験については、様々な種類のハロゲンとピリジン誘導体を有するエラストマーを合成した。動的粘弾性測定を行ったところ、ハロゲンの種類に応じて、ゴム状平坦領域における貯蔵弾性率を示した。バネービーズモデルによる粗視化シミュレーションを行い、分子間相互作用のポテンシャルの深さを変えて一軸伸長を行った。ポテンシャルがある閾値を越えると応力が上昇する事が確認された。
高分子科学・データサイエンス
エラストマーは、タイヤやウレタンフォームなどのゴム材料として身の回りの様々なところに使われる。最近、分子間相互作用する骨格を組み込む事で、エラストマーの力学的な性質を向上させる取り組みがなされている。本研究では、分子間相互作用を系統的に制御するために、ハロゲン結合を導入したエラストマーを調製し、力学物性の向上を確認した。本研究で得られた知見を基に、分子間相互作用に基づく優れたエラストマーの設計に貢献できると期待される。