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2018 年度 実施状況報告書

環化付加重合によるモルホロジーを持つ高分子合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K14278
研究機関阿南工業高等専門学校

研究代表者

杉山 雄樹  阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 助教 (90748998)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード高分子合成
研究実績の概要

(1)アルキン[2+2+2]環化付加重合を基盤にπ共役系高分子合成を意図した,モノマーの設計を行い,新しい機能性高分子合成における検討を行った。フルオレン誘導体が主骨格となるモノマーのモデル反応を実施した結果,自己環化付加反応は進行せずに選択的に交差環化付加反応のみが定量的に進行し,設計したモノマーは本重合に適用が可能であることが明らかになった。一方,ベンゾチオフェン誘導体が主骨格となるモノマーのモデル反応では,自己環化付加反応,交差環化付加反応が競争的に進行してしまい,設計したモノマーは基盤としている重合条件では適用できないことが明らかになった。現在,重合条件の見直し,インドールを主骨格とした別モノマーの設計を行っている。(2)多分岐高分子の分岐度の制御,高度な反応制御に よる新しい重合系の創出を行うことを目的として,アルキン環化三量化反応の選択性について検討を行った。種々の内部アルキンと作用させた結果,ホモ環化付加体と1つの交差環化付加体のみが生成することが明らかにになった。また,生成比が95:5~30:70となり内部アルキンの置換基により任意に生成比を変化させることが可能であり,使用する内部アルキンを変えることで,分岐度を制御することが可能であると示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究目的は着実に達成されているが,基盤としている重合条件に適用できない設計があることも明らかなり,モノマー設計や重合条件の改良に時間を要し,適用可能であるモノマーを実際に重合反応を行うところまでは至っていないため,進捗状況としてやや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

昨年度までにモデル反応にて明らかになった,本重合に適用可能なモノマーを用いて共役系高分子の合成を行い,その高分子の光吸収・発光及び導電性などの物性を検討する。また,分岐度が制御された多分岐高分子合成の検討を行う。本研究は1つのアルキンと2つのアルキンの交差環化付加体は,A2+B2型重合により生成する高分子の分岐部位,直鎖部位,末端部位に相当し,低分子反応の選択性こそが分岐度そのものに影響するため分岐度の予測が可能となるものである。昨年度に低分子反応の選択性について知見を得ており,その結果をもとに対応するモノマーの重合を行い,低分子反応の選択性が分岐度へどのように影響について明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初購入予定していた合成装置の購入費が少なく済んだため。次年度の物品費,学会参加費,旅費にあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ジインをモノマーとして環状高分子重合法の開発2018

    • 著者名/発表者名
      木村友哉, 杉山雄樹
    • 学会等名
      2018年 日本化学会中国四国支部大会

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公開日: 2019-12-27  

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