テンダーX線専用の極小角散乱装置の開発に成功し、入射X線エネルギー2100eVで、小角分解能が0.0047 1/nmとなり、1μmを超える構造体の評価が行えるようになった。フィラー材を含むSBRと含まないSBRが持つ不均一階層構造の調査をしたところ、極小角散乱領域にSBRの不均一構造に由来するピークの観察に成功した。 広い階層構造を形成する材料はゴム以外のも多くのポリマー材料で観察されるために、今後はゴム以外の材料にもテンダーX線極小角散乱法を実施できる。テンダーX線小角散乱は世界的にも注目され始めている手法なので、現時点で極小角散乱法まで開発できたのは学術的・工業的にも意義がある。
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