本研究では神経・脳の情報伝達を模倣した「人工シナプス素子」の創出を目指して(a)抵抗変化スイッチ型および(b)電気化学トランジスタ型の二種類の素子構成を検討した。その結果、(a)では酸化還元活性な高分子を用いた交互吸着膜の利用によって、神経模倣動作が実現されることが分かった。また、(b)では導電性高分子にイオン伝導性高分子を混合した活性層を用いて神経模倣動作の指標である「情報保持時間」を測定しました。その結果、イオン伝導性高分子の添加に伴って素子の情報保持時間は短くなり、無添加の素子に比べて最大で約5倍の変化があることを明らかにし、神経模倣素子の応答速度を自在に制御できることが分かった。
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