本研究では,分子配向を有する液晶高分子フィルムが,湾曲方向によって異なる表面ひずみを示すことを明らかにした。湾曲に伴う表面ひずみ解析により,一軸に配向したフィルムでは,分子配向方向に依らず外面が膨張し,内面が収縮する対称な表面ひずみ挙動を示した。一方,面内で液晶分子がねじれたツイストネマチック配向フィルムでは,分子配向によって外面と内面が非対称なひずみ挙動を示した。分子配向を三次元的に設計することで湾曲に伴う表面ひずみを制御できたことから,高性能でありながら低伸縮性であった電子部材を容易に積層することができる。今後,湾曲してもひずみが軽減されたフレキシブルデバイスの基板として大いに応用できる。
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