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2019 年度 実施状況報告書

機能性コアを持つスターポリマーの精密合成と有機デバイス応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K14300
研究機関国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究代表者

相見 順子  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (80579821)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード有機メモリデバイス / ナノフローティングゲート / スターポリマー
研究実績の概要

本研究は、機能性分子をコアにもつスターポリマーをナノフローティングゲートに用いた有機トランジスタメモリ(OFETメモリ)開発を目的としている。昨年度開発したソフトなアームポリマーを有するスターポリマーをメモリ層として利用したOFETでは、ポリマー薄膜上に真空蒸着した有機半導体の結晶性が悪く、電荷移動度などのデバイス特性が低いことが問題であった。そこで本年度は、フレキシブルOFETメモリの実現のため、メモリ層となる高分子薄膜の製膜方法の簡便化を検討した。具体的には、可溶性の有機半導体分子とスターポリマーの混合薄膜を様々な条件下で作製し、X線構造解析や原子間力顕微鏡を用いて薄膜構造を観察した。その結果、オルトジクロロベンゼン混合溶液を基板にスピンコートすると、有機半導体とメモリ層が薄膜内で縦方向に相分離することを見出した。本手法を用いると、有機半導体とスターポリマーの混合溶媒から、電荷輸送層/メモリ層を一度に製膜することができるため、簡便に様々な基板へのメモリデバイス作成が可能となる。得られたOFETメモリは、ペンタセンを蒸着したものと比較してほぼ同等の電荷移動度を示し、同時にメモリ特性を示した。また、パリレン絶縁膜を蒸着したPET基板上に、有機半導体・スターポリマー混合溶媒をスピンコートすることにより、フレキシブルメモリの作成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、前年度行ったメモリ性能の詳細な解析およびメモリ性能の向上化の結果を踏まえて、新たに成膜プロセスの簡便化に挑戦した。有機半導体とメモリポリマーを様々な溶媒で混合し、その薄膜内部の結晶構造をX線構造解析や原子間力顕微鏡観察により解析した。その結果、スピンコートによる成膜のみで有機半導体層とメモリ層を作成する手法を確立した。また、不活性ガスあるいは真空中でトランジスタ測定が可能な測定装置を整備し、メモリ性能の詳細な解析を行った。さらに、フレキシブル基板上でのOFETメモリ作成に取り組んだ。

今後の研究の推進方策

まず、有機半導体とスターポリマーの相分離挙動について、薄膜X線散乱や電子顕微鏡観察により詳細に解析し、OFETメモリ性能評価と合わせて、薄膜構造とデバイス性能の関係性を精査する。また、新規開発したフレキシブルメモリについて、メモリ性能について詳細な評価を行う。曲げた状態でのデバイス性能評価を行い、有用性の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会参加を取りやめ、測定装置を購入した。残額は次年度の消耗品費として利用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Polymer Nano-Floating Gate for Flexible Memory Devices2019

    • 著者名/発表者名
      Junko Aimi
    • 学会等名
      第29回日本MRS年次大会
    • 国際学会
  • [学会発表] 有機フラッシュメモリ用電荷蓄積材料の精密高分子設計2019

    • 著者名/発表者名
      相見順子
    • 学会等名
      日本学術振興会第166委員会「透明酸化物光・電子材料」第82回研究会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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