本研究を通して、Bi2Te3とSb2Te3の界面拡散挙動や、中間層による防止技術が確立できた。中間層は原子の拡散を防止するのに効果的であり、かつ、デバイス縦方向の電気抵抗に影響を与えることを実証した。これらの結果より、より電気的に絶縁体な物質を用いることで、所望の非線形電流-電圧特性が得られることが期待できる。材料とデバイス特性の関係を、原子レベルの界面分析によって明らかにした本研究は学術的に高い意義を有し、また、今後低消費電力電子デバイスを実現するための材料学的知見が得られたことから、その社会的意義も大きい。
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