本研究は、ナノスケールの細孔を有する多孔質カーボン材料を、糖型両親媒性分子を原料とした水熱合成により、テンプレートフリーで作り出すことを目的とする。テンプレート法による多孔質カーボンの合成が知られるが、多くの場合ナノ細孔構造の制御が容易ではないほか、資源およびエネルギーを多く消費するという課題があった。これに対し、糖を予め化学誘導して両親媒性を付与しナノ構造形成を誘発・制御することにより、水熱手法を利用してテンプレート剤の添加を必要とせずに多孔質カーボンを得ることを可能にした。得られる生成物は、共連続様構造からなる高度なナノ細孔構造を有することが分かった。
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