化石燃料の大量消費によって大気中のCO2濃度は増加の一途をたどり,地球温暖化による酷暑や台風などの過酷な気象現象の引き金となっている。本研究では,Pt系電極触媒を用いて,CO2電解還元・メタノール同時合成電気化学リアクターを開発することを目的としている。すなわち,火力発電所等から排出されるCO2を電解槽に導入し,高活性な電極触媒によってCO2をメタノールに変換し,メタノールを有効利用するシステムを想定している。本研究ではこれまでに,表面増強赤外分光法による電解生成物のその場測定システムを構築し,CO2電解還元生成物の生成挙動を調査することでCO2電解還元反応メカニズムを推定し.Pt酸化物がPtよりも優れたCO2電解活性を示した要因を解明した。令和5年度は,微粉末のPtCu合金を作製し,CO2電解還元活性が向上した要因を,その場表面増強赤外分光法とCO被覆率の観点から解明した。
|