研究課題
若手研究
本研究課題で最も重要かつ困難と考えていた,黒鉛エッジ面の化学構造の精密分析手法を,本研究実施期間内に開発することができた.この手法は,重水素でエッジ面の官能基を標識し,フェノールとエーテル,エッジ水素を区別することを可能とするものである.本手法によって黒鉛エッジ面の実際の化学構造をはじめて評価可能であること確認し,今後の研究を大きく飛躍させる成果が得られたものと考えられる.これらの研究成果について,国際誌への論文発表,特許化を行った.
炭素材料
本研究では,黒鉛表面の化学構造を精密分析する手法の開発を達成した.開発した手法は黒鉛に限らず,炭素材料全般の表面分析に適応可能である.これまで分析が困難であった炭素材料の表面化学構造を本開発手法によってその詳細を把握することが可能となり,この成果は炭素材料の表面化学の理解に大きく貢献するものであり,リチウムイオン二次電池をはじめ炭素材料を利用する多くのデバイス,産業分野の発展に有用な知見を与えるものと期待される.