• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

電解液構造制御に基づく水溶液系リチウムイオン二次電池正極界面反応の高速化

研究課題

研究課題/領域番号 18K14322
研究機関京都大学

研究代表者

山本 健太郎  京都大学, 人間・環境学研究科, 特定助教 (90755456)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードリチウムイオン二次電池 / 電気化学
研究実績の概要

リチウムイオン二次電池正極における充放電反応は正極・電解液界面においてリチウムイオンの溶媒和・脱溶媒和過程を経ることで進行すると考えられている。高濃度電解液においてはリチウムイオンと配位していない溶媒の数が極端に少なくなり、それと同時にリチウムイオンはアニオンとも配位するようになる。このことから界面での溶媒和・脱溶媒和過程は低濃度の時とは異なっており、それによって電気化学特性も変化することが予想される。本研究の目的は高濃度水溶液リチウムイオン二次電池における溶液構造と正極の電気化学特性との相関関係を明らかにすることである。
2018年度は正極と電解液のヘテロ界面を観察するためにモデル界面を作製した。正極にはLiMn2O4薄膜電極、電解質にはLithium bis(trifluoromethanesulfonyl)amide (LiTFSA)塩を用いた。モデル正極/高濃度水溶液界面の出力特性を電気化学測定により評価した。また高濃度水溶液中のリチウムイオン溶媒和構造の推定を行なった。
(1)パルスレーザーデポジション法により作製したLiMn2O4薄膜モデル電極を用いて、高濃度LiTFSA水溶液中における出力特性評価を行なった。低濃度から濃度を上げていくと、出力特性は悪くなるが、さらに濃度を上げると出力特性が向上することが明らかとなった。
(2)高濃度LiTFSA水溶液のバルクの構造を解析するためにイオン伝導度測定、粘度測定、ラマン分光測定を行なった。イオン伝導度は対称セルにLiTFSA水溶液を充填し、交流インピーダンス法により求めた。得られた各濃度におけるLiTFSA水溶液の粘度、イオン伝導度、ラマン分光からリチウムイオン溶媒和構造を推定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モデル薄膜電極を用いた高濃度水溶液における電気化学測定、およびリチウムイオン溶媒和構造の推定を行なった。次年度以降の計画を実施するための基盤情報を取得しており、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

正極反応速度を定量的に解析するため、界面抵抗およびリチウムイオンの拡散係数の測定を行う。電解液の構造をより詳細に把握するために放射光測定を実施する。

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi