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2019 年度 実績報告書

天然物誘導体により制御可能なトリプルネガティブ乳がん治療標的の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K14344
研究機関金沢大学

研究代表者

斎藤 洋平  金沢大学, 先進予防医学研究センター, 助教 (90723825)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード乳がん / 化学プローブ
研究実績の概要

トリプルネガティブ乳がん(TNBC)とはその他の乳がんでは発現するホルモン受容体、成長因子受容体の3つすべてが欠損した乳がんである。他の乳がん治療で効果的な分子標的薬、ホルモン療法が効かないうえ、転移が起こりやすい特徴を有する。若年乳がんでその割合が高く、再発を繰り返すことから予後が非常に悪い。そのため、治療に有効な標的分子の発見から作用機序解明に至るまでの創薬基礎研究が極めて重要である。申請者は、抗がん活性ジテルペンParvifloron(PF)類の全合成、ヒト培養がん細胞に対する構造活性相関研究の過程で、TNBC細胞に対して選択的に増殖抑制活性を示す新規化合物の創出に成功している。本研究では申請者が発見したPF誘導体を基盤にTNBC細胞中の標的タンパク質を探索・同定し、その作用機序を解明することを目的とする。
TNBC細胞に対して選択的に増殖抑制活性を示す化合物はその構造上、タンパク質と非共有結合で相互作用する可能性と共有結合で相互作用する2つの可能性が考えられたため、どちらの相互作用でも標的タンパク質が検出可能な化学プローブを設計した。本プローブはヒト培養がん細胞への投与や細胞抽出物との反応に用いることから、有機溶媒中においてのみだけでなく、生理的条件においても安定であることが求められる。従って、加水分解に安定なアミドやN-アルキル構造をプローブ内に取り入れることにした。初めに化合物中に存在するヒドロキシ基を足掛かりに種々の条件を検討しアミノ基の導入を試みたところ、基質の安定性や反応性に問題があることが判明した。そこで活性に影響を与えない部位を精査するために様々な誘導体を合成、TNBC細胞に対する増殖抑制活性を評価し、化学修飾可能な部位が他にも存在することを明らかにした。得られた知見を基に作用機序解明に向けて研究を継続していく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of 4-epi-parviflorons A, C, and E: structure-activity relationship study of antiproliferative abietane derivatives.2019

    • 著者名/発表者名
      Miyajima, Y.; Saito, Y.; Takeya, M.; Goto, M.; Nakagawa-Goto, K.
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 84 ページ: 3239, 3248

    • DOI

      10.1021/acs.joc.8b02832

    • 査読あり
  • [学会発表] Structure-activity relationship study of antiproliferative abietane diterpenes: Syntheses of 4-epi-parviflorons and its derivatives.2019

    • 著者名/発表者名
      Miyajima Y, 〇Saito Y, Takeya M, Goto M, Nakagawa-Goto, K
    • 学会等名
      American Chemical Society National Meeting & Exposition
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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