研究課題
若手研究
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)とはその他の乳がんでは発現するホルモン受容体、成長因子受容体の3つすべてが欠損した乳がんである。他の乳がん治療で効果的な分子標的薬、ホルモン療法が効かないうえ、転移が起こりやすい特徴を有する。若年乳がんでその割合が高く、再発を繰り返すことから予後が非常に悪い。そのため、治療に有効な分子の発見から作用機序解明に至るまでの創薬基礎研究が極めて重要である。本研究ではTNBC細胞の増殖抑制に有効な分子を新たに見出した。
生物分子化学
本研究ではTNBC細胞に対して選択的に増殖抑制活性を有する分子の創出、およびその細胞内標的タンパク質を同定することを目的に研究を実施した。得られた分子は抗がん剤としての骨格新規性から、これまでに関与が明らかになっていないがん細胞内のタンパク質を標的としている可能性が高く、新規抗がん剤シード化合物として基礎科学的に興味深い。創薬基礎研究を担う本研究はTNBC治療法開発に大きく貢献することが期待される。