睡眠覚醒を制御するオレキシン受容体を、外部刺激、特に光により選択的に活性化する分子ツールの開発を行った。薬物に光応答性を付与する方法として、光により共有結合開裂を引き起こすことのできる光ケージング法を採用した。独自に開発したOX2R作動薬を含む薬物候補の構造活性相関研究から、光ケージング基を導入する薬物、修飾部位を決定した。同定した修飾部位に光ケージング基を連結することでOX2R活性をマスクした光応答性OX2R作動薬を合成した。合成した分子を用いて光照射実験を行ったところ、光照射によりOX2R作動薬が放出されることが明らかになり、電気生理学実験においてもOX2R活性化に由来する変化を確認した。
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