研究実績の概要 |
本年度は、3-2-1において昨年度に多数分離することに成功した新規な鉄還元菌の性状解析および新種(新属)記載を行った。これまでGeobacter属細菌とされていた水田土壌由来のGeomonas属、Oryzomonas属細菌を新たに提唱した(Xu et al., 2019, ; Xu et al., 2020)。 また、3-2-1において水田土壌から単離したAnaeromyxobacter属細菌の窒素固定活性を初めて実証し、論文を発表した(Masuda et al., 2020)。 さらに、3-1において昨年度行ったメタゲノムについて、3-2-1において単離した新種および新属の鉄還元菌を加えたデータベースを用いて再解析を行い、世界各地の陸域土壌におけるこれらの分布の詳細を明らかにした。この情報に新属であるGeomonasおよびOryzomonas属細菌の窒素固定活性を追加した論文は、現在執筆中である。 3-2-2において行った15N-SIPを用いた鉄還元菌の窒素固定能の直接検証については、安定同位体15NでラベルされたDNA画分から鉄還元菌由来の遺伝子が多く検出され、鉄還元菌が実際の土壌において窒素固定を行っていることが示唆された。
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