研究課題/領域番号 |
18K14375
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小林 淳平 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命助教 (90759987)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CO2固定 / Rhodobacter sphaeroides / 光合成細菌 |
研究実績の概要 |
紅色非硫黄細菌におけるCO2固定への関与が推定される遺伝子の、実際のCO2固定への影響を明らかにするために、アセチルCoAカルボキシラーゼ(4遺伝子)、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ(2遺伝子)、ピルビン酸カルボキシラーゼ(1遺伝子)、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(1遺伝子)、イソクエン酸脱水素酵素(2遺伝子)、重炭酸イオン輸送体遺伝子(3および4遺伝子)をそれぞれまたは複数発現させたRhodobacter sphaeroides HJ株を計8株構築した。その後、これらの株を20 mMの重炭酸ナトリウムを唯一の炭素源として、H2を存在下で嫌気的かつ光合成的に培養した。その結果8株中6株において、有意な増殖の増加が認められ、最大で約1.4倍増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたギ酸脱水素酵素遺伝子発現株の構築に手間取り、平成30年度には実施が間に合わなかった。また、当初はCO2とH2の混合ガスを炭素源かつ電子供与体として使用する予定であったが、研究機関の規定により、上記の混合ガスが使用できなくなってしまったため、炭素源を重炭酸ナトリウムに変更した。そのため、培地pHをアルカリ性にすることによってCO2の液層への溶解を促進することを前提とした、宿主へアルカリ耐性を付与する計画を遂行することができなくなってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
まずはギ酸脱水素酵素発現株を構築し、CO2固定を評価する。また、前記の様にCO2とH2の混合ガスを使用できなくなってしまったため、重炭酸イオン濃度や気層の体積などの基礎的な培養条件の検討が若干不十分なため、こちらも併せて検討する。その後CO2固定に有用と判断された各遺伝子の組み合わせを検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に論文の投稿を予定しており、論文の校閲費用として若干残しておいたが、校閲費用が想定より低く済んだため、若干残ってしまった。 2年目では研究機関を異動することになったため、こまごまとした試薬や備品などを購入する必要が出てくると考えられるため、次年度使用額はこれらの購入費用に充てる。
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