研究課題/領域番号 |
18K14401
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
増井 悠 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (70714377)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 二酸化炭素 / アミノ酸 / フロー合成 |
研究実績の概要 |
本研究では、試薬/触媒充填型連続フロー反応を活用し、二酸化炭素を原料とした生合成模倣アミノ酸合成法の確立を目的としている。すなわち、アミノ基転移およびα-ケトカルボン酸の代謝を模倣し、汎用性の高いアミノ酸合成手法になり得ると考えられる。まず、二酸化炭素とアルデヒドからα-ケトカルボン酸を合成したのち(炭酸固定反応)、アミノ基転移によってアミノ酸に変換する。炭酸固定反応とアミノ基転移反応を試薬/触媒充填型フロー法で連続的に行い、二酸化炭素およびアルデヒドを流通させるだけで簡便にアミノ酸が得られる生産性の良いシステムの構築を目指す。 炭酸固定反応について、研究実施計画の通りチアミン誘導体6種類を調製した。これらを用いてバッチリアクターで炭酸固定反応を検討した。すなわち、ベンズアルデヒドを種々のチアミン誘導体と塩基として種々のアルキルマグネシウムクロリド存在下、二酸化炭素雰囲気下のオートクレーブ中で反応させた。その結果、安息香酸の生成あるいはアルデヒドの残存が確認された。 アミノ基転移反応について、研究実施計画の通り不斉補助基と連結したピリドキサミン誘導体を調製した。なお、不斉補助基はエステル結合あるいはアミド結合で連結した。これらを用いてバッチリアクターでアミノ基転移を検討した。すなわち、ベンゾイルギ酸(α-ケトカルボン酸)に対して、ピリドキサミン誘導体を作用させた。現在、本反応のフローリアクターへの適応を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は①二酸化炭素とアルデヒドの反応(炭酸固定反応)と②ケトカルボン酸へのアミノ基の導入(アミノ基転移反応)の二段階の化学反応から成る。 ①炭酸固定反応について、チアミン誘導体6種類を調製することができた。一方、想定以上に二酸化炭素の反応性が低く、さらなる検討が必要である。 ②アミノ基転移反応については、計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
アミノ基転移反応については、計画通りフローリアクターへの適応を検討する。すなわち、ピリドキサミン誘導体の固相担持試薬をカラムに充填し、フロー反応への応用を実施する。 炭酸固定反応については、さらなる検討を実施するとともに、近年報告されているシアン化物イオンを用いた炭酸固定反応を検討し、固相担持試薬に変換できるか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
フローリアクターについてはすでに作成済みで、本研究課題にそのまま活用することができたため。 次年度、主に試薬類に研究資金を使用する。
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