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2019 年度 実績報告書

アディポカインを介した脂肪細胞-脳神経細胞間コミュニケーション仮説の検証と応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K14405
研究機関信州大学

研究代表者

三谷 塁一  信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (40773304)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード脂肪細胞 / NAMPT / イソフラボン / 発現調節機構 / ゲニステイン / NAD / プロヒビチン
研究実績の概要

ゲニステインによるNAMPTの発現調節機構の詳細なメカニズムを解析した。昨年度はゲニステインの標的タンパク質としてPHB1を見出したが、PHB1に結合したゲニステインがどのようにしてNAMPTの発現を制御しているかまでは不明であった。PHB1をノックダウンした脂肪細胞株3T3-L1細胞において、ゲニステイン添加による細胞内シグナル伝達系を解析した。その結果、ゲニステインはERKのリン酸化レベルを増加し、そのリン酸化レベルの増加は、PHB1のノックダウンで解除された。さらに、ゲニステインによるERKの活性化は、転写因子C/EBPβの188番目のThrのリン酸化を惹起することでC/EBPβのタンパク質安定性を向上した。C/EBPβがNAMPTの発現制御に関与しているのかをNamptのプロモーター領域を組み込んだルシフェラーゼレポーターアッセイで検討した。3T3-L1細胞にC/EBPβを一過的に高発現させるとNamptのプロモーター活性は増加し、同時にゲニステインを添加することで活性は相乗的に亢進した。一方、ERKによるリン酸化を受けない変異体C/EBPβを高発現させた3T3-L1細胞では、ゲニステインによるNamptのプロモーター活性の亢進は示されなかった。以上の結果から、PHB1に結合したゲニステインは、ERKの活性化を介してC/EBPβの安定化を向上し、それによってNAMPTの遺伝子発現が亢進することが明らかとなった。
ゲニステインと他の天然由来イソフラボンでNAMPTの発現・分泌能を比較したところ、ゲニステインよりも効果が強い成分としてフォルモノネチンを見出した。今後、フォルモノネチンによるNAMPT分泌効果を個体レベルで検証する必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Intracellular cAMP contents regulate NAMPT expression via induction of C/EBPβ in adipocytes.2020

    • 著者名/発表者名
      Mitani T, Watanabe S, Wada K, Fujii H, Nakamura S, Katayama S.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 522 ページ: 770-775

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2019.11.165

    • 査読あり
  • [学会発表] 胞内cAMPはNAD+合成系酵素NAMPTの発現を介して脂肪細胞分化を制御する2020

    • 著者名/発表者名
      三谷塁一、渡邉 駿、和田憲次郎
    • 学会等名
      日本農芸化学会2020年度大会
  • [学会発表] ゲニステインによるNAD+合成関連酵素NAMPTの発現制御メカニズムの解明2020

    • 著者名/発表者名
      渡邉 駿、三谷塁一、片山 茂、中村宗一郎
    • 学会等名
      日本農芸化学会2020年度大会
  • [学会発表] ゲニステインはプロヒビチンを介してNAMPTの発現量とNAD+合成量を増加する2019

    • 著者名/発表者名
      渡邉 駿、三谷塁一、片山 茂、中村宗一郎
    • 学会等名
      日本農芸化学会2019年度大会
  • [学会発表] ゲニステインによる脂肪細胞でのNAMPTの発現調節メカニズムについて2019

    • 著者名/発表者名
      三谷塁一、渡邉 駿、片山 茂、中村宗一郎
    • 学会等名
      第73回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] Genistein increases NAD biosynthesis through the induction of NAMPT expression in adipocytes2019

    • 著者名/発表者名
      Mitani T., Watanabe S., Katayama S., Nakamura S.
    • 学会等名
      The 7th intercational conference on food factors
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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