研究課題/領域番号 |
18K14427
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
戸田 安香 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (10802978)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 味覚受容体 / GPCR / 食性 / 旨味 |
研究実績の概要 |
旨味受容体T1R1/T1R3は「食物中に含まれるタンパク質を検知するための味センサー」と考えられてきた。近年、研究代表者らはヒト以外の動物種を対象とした研究により、旨味受容体の機能が動物の食性に応じて種ごとに柔軟に変化してきたことを示した。一方で、ヒト旨味受容体は昆布やトマトに豊富に含まれるグルタミン酸に特化したアミノ酸選択性を示し、かつ、鰹節や干しシイタケに含まれるイノシン酸やグアニル酸といったヌクレオチドでも活性化されるが、その生理的意義は明らかでない。そこで、本研究ではヒトと多系統の動物種の間で、旨味受容体の機能及び食物を比較し、ヒト旨味受容体の特徴である「高グルタミン酸活性」及び「ヌクレオチド受容能」がどのような食品成分の味・栄養素検出と結びついているかを明らかにする。具体的には、それぞれの動物種ごとに旨味受容体の塩基配列解析、機能解析、食物成分分析、行動実験などを行う。 2018年度は、ゲノムDNAを元に、PCR、シークエンスを行い、複数種の非ヒト霊長類の旨味受容体遺伝子の配列を決定した。配列決定が完了した動物種について、エキソン断片をつなぎ合わせ、培養細胞発現用プラスミドを作製した。作製したプラスミドを用いて、発光検出系により旨味受容体のアミノ酸応答性を評価した。さらに、霊長類の主な食物を収集し、HPLC法を用いた遊離アミノ酸分析を行うことで、旨味受容体の機能解析結果と比較した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多数の非ヒト霊長類を対象に旨味受容体遺伝子のクローニングを完了し、旨味受容体の機能を明らかにすることにも成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
非霊長類哺乳類の旨味受容体遺伝子の配列決定およびクローニングを進める。配列決定が完了した動物種から、旨味受容体の培養細胞発現用プラスミドを作製する。作製したプラスミドを用いて、各種生物の旨味受容体の機能解析を行い、グルタミン酸やヌクレオチドの受容能獲得が進化的にどのタイミングで起こったのかを検証する。さらに、変異体解析により、グルタミン酸やヌクレオチド受容能獲得をもたらす変異の同定を行う。また、行動実験や食物成分分析を行い、旨味受容体の機能と食性との関連を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費の節減に努め、試薬を節約したことにより差額が生じた。次年度、有効に活用する予定である。
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