気孔開閉制御による光合成活性はキャノピー温度(葉温度)に影響し、収量と関連する傾向がある。これは、気孔を開き蒸散量を高く保つ形質が、二酸化炭素を多く取り込み光合成を盛んに行い、最終的に収量性の増加要因となると考えられる。本研究では、Dゲノムの遺伝的多様性が低い一般的なパンコムギ系統ではなく、世界の様々なタルホコムギ系統を導入したパンコムギ集団から、海外の圃場にてスクリーニング試験を2シーズン行ったところ、特定のタルホコムギのDゲノムに由来する系統集団において特に高い相関を得られた。この特定の親を持つ系統を用いて分離集団を作成、キャノピー温度と収量に関するQTLの検出を行い、その関連性を探った。
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