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2021 年度 実績報告書

葉原基分化のタイミングを制御する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K14445
研究機関東京大学

研究代表者

三村 真生  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80790378)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードイネ / 葉間期 / 葉原基 / 発生・分化
研究実績の概要

葉原基分化の時間的間隔である葉間期は葉の枚数に影響を与えることから、植物体地上部の形態形成の仕組みを理解する上で重要な形質である。本研究では葉間期制御の分子機構の解明を目的として、主にイネの葉間期を制御するPLA1、PLA2、OsSPL遺伝子の解析を中心に研究を進めた。本年度は以下の実験を行った。
・PLA2がコードするRNA結合タンパク質の標的RNAに対する作用を明らかにするため、PLA2過剰発現体のRNA-seqを行った。発現変動遺伝子にはPLA2の標的RNAが含まれていなかったことから、PLA2は結合するRNAの発現量に影響を与えないと結論づけた。
・前年度の実験で、PLA2と結合するRNAのPLA2結合配列に変異を導入したものや3'UTRを欠損させたコンストラクトを作成し、pla2変異体背景で発現させた植物体を作成した。表現型解析の結果、変異を導入したものはpla2変異体の表現型に大きな影響を与えなかったが、3'UTRを欠損させたものは表現型がやや回復した。また、この遺伝子をActinプロモーターで過剰発現させるとpla2変異体の葉間期の表現型が野生型並みに回復したため、PLA2の下流制御因子の一つであることを支持する結果だと考えている。
これまでイネの他にオオムギなどのイネ科植物で葉間期に関わる遺伝子が複数報告され、遺伝学的な解析が進められているものの、遺伝子がコードするタンパク質の分子機能については未解明な部分が多かった。本研究から、主にPLA2の分子機能に関する重要な結果が得られ、さらにPLA2、PLA1、OsSPL遺伝子間の関係も明らかになった。今後、イネのみならず他のイネ科作物で同定された遺伝子の機能解析も進め、これら遺伝子がどのように作用しあって葉間期を制御するのか明らかにしていくことが重要だと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Regulation of the plastochron by three many-noded dwarf genes in barley.2021

    • 著者名/発表者名
      Hibara KI, Miya M, Benvenuto SA, Hibara-Matsuo N, Mimura M, Yoshikawa T, Suzuki M, Kusaba M, Taketa S, Itoh JI
    • 雑誌名

      PLOS Genetics

      巻: 17(5) ページ: e1009292

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1009292

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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