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2019 年度 実施状況報告書

単為結果性トマトにおける高糖度化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K14456
研究機関京都大学

研究代表者

滝澤 理仁  京都大学, 農学研究科, 助教 (60627363)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードトマト / 単為結果 / 糖度
研究実績の概要

本研究では,‘Micro-Tom’を遺伝的背景とするSlAGL6座の準同質遺伝子系統を用いて光合成・糖転流・糖蓄積に関する調査を行い,変異型Slagl6によるトマト果実の糖度上昇機構を明らかにすることを目的としている.本年度は,SlAGL6座が変異型の個体(変異型)と野生型の個体(野生型)を用いて経時的な果実のサンプリングを行い,果実の糖含量とデンプン含量の測定およびデンプン生合成遺伝子の発現解析を行った.変異型の単為結果果実と野生型の受粉果実で糖含量とデンプン含量を比較したところ,野生型の受粉果実に比べて変異型の単為結果果実で,開花25日後にデンプン含量が,催色期にグルコース含量が有意に高くなった.また,開花15日後にデンプン生合成遺伝子の発現解析を行ったところ,野生型の受粉果実に比べて変異型の単為結果果実で,デンプン合成酵素であるADP-グルコースピロホスホリラーゼとスクロースシンターゼの発現量が有意に高いことが判明した.これらの結果から,変異型の単為結果果実では,開花15日後にデンプン生合成遺伝子の発現が上昇し,それにより蓄積したデンプンが分解することにより,催色期のグルコース含量が上昇したと考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定されていた通り,SlAGL6座の準同質遺伝子系統を用いて果実内の糖含量とデンプン含量の測定および糖代謝に関わる遺伝子の発現解析を行った.また,今年度,実施予定だったメタボローム解析とRNA-seq解析に関しても準備は整っており,来年度中に解析を終える予定である.

今後の研究の推進方策

今年度予定されていたメタボ―ローム解析とRNA-seq解析を来年度実施する.また,変異型Slagl6を通常品種に導入した系統を用いて,植物体の生育・光合成速度,成熟果実の糖度・糖組成の調査を行い,Micro-Tomと異なる遺伝的背景下における変異型Slagl6の効果を明らかにする.

次年度使用額が生じた理由

本年度予定していたメタボローム解析とRNA-seq解析を来年度実施することにしたため,解析費が低く抑えられた.次年度使用額はこれらの解析で使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of Parthenocarpic Genes <i>pat-2</i> and <i>pat-k</i> on Vegetative and Fruit Traits in Tomato (<i>Solanum lycopersicum</i> ‘Micro-Tom’)2020

    • 著者名/発表者名
      Takisawa Rihito、Maai Eri、Nakano Ryohei、Nakazaki Tetsuya
    • 雑誌名

      The Horticulture Journal

      巻: 89 ページ: 261~267

    • DOI

      https://doi.org/10.2503/hortj.UTD-127

  • [学会発表] 単為結果性遺伝子pat-2およびpat-kが栄養生長器官および果実特性に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      滝澤理仁・間合絵里・中﨑鉄也
    • 学会等名
      園芸学会平成31年度秋季大会

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公開日: 2023-03-23  

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