先行研究により、チョウ目昆虫アズキノメイガに感染し、オス殺し現象を誘導する細胞内共生微生物ボルバキアは、性転換を通じて宿主のオスを選択的に殺していることがわかっている。本研究では、その詳細な機構に迫るべく、アズキノメイガ由来の培養細胞にボルバキアを人為的に導入し、性転換を誘導させたものをサンプルとして解析を行った。その結果、ボルバキア感染による性転換とリンクして亢進するアズキノメイガ側の遺伝子を3種、抑制される遺伝子を3種見出した。これらは全て、性決定への関与が指摘される遺伝子、もしくはその近傍にある遺伝子であることが推定された。
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