早春に花を咲かせ、夏以降は地下部のみで過ごす春植物において、代謝産物の季節変動に着目した保全技術の開発を目指した。ユリ科春植物であるコバイモでは、秋から春に培土への糖質の処理が愛好家の間で知られているが、科学的な根拠が無い。本研究では、メタボローム解析と外発的糖質処理試験からその有用性を検証した。結果として、メタボローム解析では、球根の糖質含量の季節変動を明らかにすることが出来た。外発的糖質処理については、スクロース処理で効果が見られたが、年による変動があり、気候との関連が示唆された。また、種子へのグルコ―ス処理は発芽率を減少させた。今後、栽培試験を継続し、保全技術として提案できるかを示す。
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