研究課題
若手研究
本研究では、都市圏における自然環境の賦存状況と自然体験の関係性を都市圏間の比較から明らかにすることを目的とした。衛星画像解析、質問票調査、生物調査などの多様な手法を組みわせた分析の結果、都市圏の自然環境の賦存状況には人口密度や都市圏のサイズが関係していること、樹林地などの自然環境がより多く賦存している地方都市圏において、自然体験の内容によっては必ずしも三大都市圏よりも実施頻度が高くないこと、都市住民が認識している近隣に生息している種と実際の生息状況が必ずしも対応しないことなどが明らかになった。
都市生態学
本研究により、国内の都市圏間での自然環境の賦存状況や自然体験の実施状況の違いを明らかにすることが出来た。こうした知見は、各都市圏の特徴の理解にもとづいた自然体験促進策の策定に寄与しうる。また、種のレベルで都市圏の自然環境の賦存状況と自然体験の関係性を分析する枠組みを提案し検証した。この方法を様々な種や都市圏で適応することで、生物多様性の保全と調和した形での自然体験の促進策のあり方の解明が進むことが期待される。