研究課題
若手研究
樹木根の種の識別法の確立を行うことを目的に、多様な樹種の根系の形態・化学・解剖・生理測定を統合的に行った。それぞれの根特性は、種間で有意に異なっており、特に系統学種と菌根菌タイプによって区別されることが明らかとなった。本研究の結果から、樹木根系の種特異的な性質(資源獲得能および防御機能)を特徴づけることに成功した。
森林生態学
本研究の成果は、根系の種の識別を可能とし、種の多様性と生態系機能の関係を評価することに寄与できる群落レベルにおける根系の種ごとの現存量・生産量が評価できるようになれば、根の成長や枯死、種の競争、住み分け、物質循環の環境応答といった現象が細根の種/形質の多様性とあわせて考察できる。このことは、土壌炭素動態のメカニズムの解明やモデル化の精緻化にも繋がり、その波及効果は大きいと期待する。