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2020 年度 実績報告書

乾燥における水分・温度履歴が木材の力学特性の経過に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 18K14505
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

鳥羽 景介  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10709322)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード木材乾燥 / 残留応力 / 力学特性 / 破壊形態
研究実績の概要

本研究では、木材の乾燥過程や使用環境で想定される温度・湿度条件の変化が木材の含水率や力学特性に与える影響を明らかにすることを目的としている。
当該年度では、乾燥前処理(蒸煮(乾球温度、湿球温度:95℃、7 h)、および高温セット処理(乾球温度:120℃、湿球温度:90℃、18 h))を行った後、乾燥スケジュールが異なる2条件(A: 乾球温度:90℃、湿球温度:60℃、B: 乾球温度:70℃、湿球温度:50℃)において乾燥を行ったスギ心持ち平角(長さ:4m、断面:225×120 mm)について、材内の応力状態の測定を行った。試験材から作製した短冊状の試験片について、煮沸の前後、および各調湿後の寸法変化から算出したセット量は、乾燥前処理の条件が同じであったにもかかわらず、条件Aにおいて小さいことがわかった。乾燥時の温度条件が高かったことにより、乾燥前処理で木材表面に生じる引張の残留応力が緩和したためと考えられる。
また、乾燥履歴の異なる木材小試験片(スギ5×5×25 mm)の圧縮試験後の破壊形態の分類、およびFT-IRスペクトルの測定を行った。圧縮試験では、ヤング率、強度に対する乾燥履歴の影響はみられなかったが、試験後の試験片側面のせん断破壊の発生率が熱の関与に関係なく増加したことがわかった。前年度のねじり試験の結果と同様に、乾燥履歴によって耐せん断力が低下したと考えられる。FT-IRスペクトルの測定では、熱が関与した試験片においてヘミセルロースに起因する波数域の減衰が認められた。一方で、未処理の試験片に比べて乾燥履歴を受けた試験片では、各波長域におけるピーク幅が狭くなったことがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高温セット処理を用いた各種乾燥スケジュールにおける乾燥後のスギ心持ち平角表面の残留応力状態2021

    • 著者名/発表者名
      鳥羽景介、松元浩、石田洋二、村野朋哉
    • 学会等名
      第71回日本木材学会大会
  • [学会発表] 異なる乾燥条件におけるスギ心持ち平角の乾燥後の残留ひずみの違い2020

    • 著者名/発表者名
      鳥羽景介、松元浩、石田洋二、村野朋哉
    • 学会等名
      第30回日本MRS年次大会

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公開日: 2021-12-27  

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