魚類の増養殖現場において、ストレス耐性の獲得は効果的な飼育、輸送などに有用な情報となりうる。本研究では、ゼブラフィッシュを用いて、ストレス環境の学習を利用した訓練によってストレス耐性を向上できる可能性が示された。本研究で採用したストレス訓練の手法は、水深を浅くして飼育するという極めて容易な方法であり、実際の水産現場にも適用できる可能性がある。また、訓練によって、温度変化やハンドリングなど様々なストレスに対する耐性を高められる可能性が示されたことから、実用性が高いと考えられる。学習によるストレス訓練は、効率的な増養殖において画期的な技術となる可能性を秘めており、今後さらなる研究が望まれる。
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