重要な漁業資源であるブリの津軽海峡を介した日本海と太平洋の移動について、海域固有の同位体比を有するネオジム (Nd) に着目した化学分析と電子標識(アーカイバルタグ)を用いた追跡を併用して、海域間移動履歴を推定する手法開発を試みた。先ずは、アーカイバルタグから高精度で位置を推定する手法開発を行い、津軽海峡を通過した日本海-太平洋の移動経路を示す手法を確立した。一方、新型コロナウイルス感染症流行により、当初予定した機会に研究代表者らの分析協力機関への移動が制限されたたため、Nd同位体比分析に関しては、ブリの筋肉及び肝臓に蓄積されるNd濃度を定量し、今後の研究発展のために情報蓄積を行うに留めた。
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