月齢同調産卵魚は月の満ち欠けに応じた月光照射時間の周期的変化を情報源に月齢を認知すると考えられる。本研究は、異なる月齢で月齢同調産卵を行うマハタ属の近縁2種に着目し、両魚種の全ゲノム配列の比較と時計関連遺伝子の発現変化に月光が与える影響の比較から、月齢同調産卵が異なるタイミングで起きる原理の理解を目指した。本研究では、ヤイトハタおよびカンモンハタ両種のドラフトゲノム構築でき、今後の研究にも有効な情報基盤の整備を行うことができた。また、Cry遺伝子発現に着目した発現解析によって、新月に応答した下垂体におけるCry2の発現上昇が月齢同調産卵にとって重要なシグナルとなる可能性が示唆された。
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