消費者は、しばしば食品添加物や農薬、食品照射など食の安全性リスクを実際よりも過大に認知し、いわゆる風評被害を引き起こしている。一方で、ソラニンなどの自然毒やサプリメントの過剰摂取、肥満などに対するリスクを過小に評価し、健康被害の原因となっている。このようにリスク認知にバイアスがあると、消費者はリスクに対して最適な行動をとれず、市場の失敗が起こる。したがってリスクコミュニケーションなど追加的な情報の付与により、消費者のリスク認知のバイアス緩和が求められている。本研究課題の成果は、心理的・認知的要因が消費者の認知形成に与える影響を明らかにし、リスクコミュニケーションの効率化に寄与すると考えられる。
|