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2019 年度 実施状況報告書

中国の新型都市化政策と「村」による農村資源管理モデルの再評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K14535
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

山田 七絵  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター環境・資源研究グループ, 研究員 (10450537)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード中国 / 村 / 地域資源管理 / 農村開発 / 都市化
研究実績の概要

2019年度は、6月に中国江蘇省南京市近郊農村で都市化の進みつつある農村の開発に関する村レベルの聞き取り調査を実施した。8月には北京市で開催されたThe East Asian Association of Environmental and Resource Economics 年次大会において、日中の共同研究者らと貴州省における都市の消費者の連携による農村開発モデルに関する共同報告"Urban-Rural Cooperation Model of Local Resources and Building Sustainable Community of Ethnic Groups in China: A Case Study of Batik Production by the Miao People in Guizhou Province"を行った。2020年2月にも同じテーマで、比較対象として内陸部の貴州省の少数民族地域での調査を予定していたが、中国と日本での新型コロナウイルス感染の拡大によりやむなく中止となった。
研究成果としては、本研究事業で実施した中国の各地域における実地調査の成果をふまえ、村を単位とした資源管理や農村開発モデルに関する単著『現代中国の農村発展と資源管理―村による集団所有と経営』(東京大学出版会、2020年3月)を出版した。また、貴州省での調査成果を「地域資源をいかした持続可能なコミュニティ構築のための都市・農村間連携」『総社る 近畿大学総合社会学部紀要』(Vol.8 No.2、2020年3月31日、藤田香らと共著)として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度は単著を出版することができ、成果の発表という点では予定以上の成果を上げることができた。しかし、中国と日本における新型コロナウイルス感染の拡大という不測の事態により、中国農村での実地調査は予定通り進めることができなかったので、平均してこのような評価とした。

今後の研究の推進方策


2020年度もこれまでと同様中国農村での村レベルの聞き取り調査を継続し、その成果を踏まえて論文として発表する予定であった。また、2020年8月にチェコで開催予定であったEuropean Association of Agricultural Economics 年次大会でのポスター報告に共同研究者と応募していたが、新型コロナウイルス感染の世界的な拡大により中止となった。感染の収束が見通せないなか、現地調査を実施できない場合でも対応可能な代替的な調査・研究の手段(電話やメールでの情報収集、委託調査、二次情報やデータ購入による分析など)を検討する必要がある。仮に早期に現地調査を再開できた場合も、近年中国政府による外国人の調査への規制が強まっているとの情報を得ているので、現地のカウンターパートと協議し、慎重に調整を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

もともと2017年度終了予定の若手B科研を1年延長し、本研究課題の初年度(2018年度)はそちらを優先して支出したため、2019年度開始時点で繰越金が存在した。そのうえ、2019年度に予定していた中国出張が新型コロナウイルス感染の拡大により中止になるなど予定通りに執行できなかったため、次年度使用額が生じた。
今後の使用計画は状況次第であるが、現時点では中国での現地調査の再開のめどが立たず、参加予定の国際学会が中止になるなど、予定通り予算が執行できない可能性は大きい。代替的な研究の方法を模索していきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] 南京林業大学/貴州師範大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      南京林業大学/貴州師範大学
  • [雑誌論文] 地域資源をいかした持続可能なコミュニティ構築のための都市・農村間連携2020

    • 著者名/発表者名
      藤田香・大塚健司・山田七絵・松永光平
    • 雑誌名

      近畿大学総合社会学部紀要 : 総社る

      巻: Vol.8 No.2 ページ: 39, 73

    • オープンアクセス
  • [学会発表] "Urban-Rural Cooperation Model of Local Resources and Building Sustainable Community of Ethnic Groups in China: A Case Study of Batik Production by the Miao People in Guizhou Province"2019

    • 著者名/発表者名
      Kaori FUJITA, Kenji OTSUKA, Nanae YAMADA, Xiaodong REN
    • 学会等名
      The East Asian Association of Environmental and Resource Economics
    • 国際学会
  • [図書] 現代中国の農村発展と資源管理ー村による集団所有と経営2020

    • 著者名/発表者名
      山田 七絵
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      978-4-13-040292-7
  • [図書] 朝日緑源、10年の軌跡―中国における日系農業企業の挑戦―2019

    • 著者名/発表者名
      大島 一二、山田 七絵
    • 総ページ数
      154
    • 出版者
      農林統計出版
    • ISBN
      978-4-89732-416-6

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公開日: 2021-01-27  

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