研究課題/領域番号 |
18K14547
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研究機関 | 公立鳥取環境大学 |
研究代表者 |
山口 創 公立鳥取環境大学, 環境学部, 講師 (10709281)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナレッジマネジメント / 地域資源管理 |
研究実績の概要 |
本課題の目的は、現代農村における知識創造理論を構築することである。本年度は、そのための前段階として、第一に経営学分野を中心に理論蓄積のある知識創造理論および関連理論のレビューをおこなった。野中らのSECIモデル、クロ―らのイネーブラー理論、敷田のサーキットモデル等の知識創造理論、および知識創造と関連の強いソーシャル・キャピタル、社会ネットワーク理論、実践コミュニティ理論らのレビューをおこなった。結果、農村地域における知識創造の分析枠組みとして、ネットワーク理論、ソーシャル・キャピタルを用いることが有効と考えられた。 第二に、農村地域における知識創造の分析枠組みを構築するため、予備的調査をおこなった。具体的には、鳥取県佐治地区を事例に地域資源管理、鳥取県大山町伯耆大山の自然資源保全活動、兵庫県加西市および市川町笠形地区を事例に農業生産における知識創造の実態を関係者に対するインタビューおよび参与観察法にて調査をおこなった。結果、地域資源管理、自然資源管理においてはコミュニティレベルで知識の共有や創造がおこなわれていること、農業生産においては、資源管理と異なり個人レベルで知識創造がおこなわれる傾向があり、生産者個人の有する知識獲得ネットワークが知識創造を支えていることが示唆された。以上の予備的調査の結果から、次年度以降の調査枠組みとして、地域資源管理、自然資源管理においては実践コミュニティ理論、農業生産においては社会ネットワーク理論を援用することが有効と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
鳥取県内に新たな調査対象地を加えたため,想定よりややスケジュールに遅れが生じている。ただし調査体制の構築は概ね完了しており、次年度以降は円滑な調査が実施できる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
地域資源管理、自然資源管理については鳥取県佐治地区、大山町、農業生産については兵庫県加西市、市川町、自治運営については鳥取県鹿野町にて、それぞれインタビュー調査を実施する。調査を円滑にすすめるため関係自治体および関係組織へ調査協力を依頼しており、既に調査対象者の仲介等の支援を受けることができる状況となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象地の追加等により、調査計画に遅れが生じた。そのため、調査旅費および成果発表に関わる経費に未執行が生じた。 ただし、当年中に十分な調査体制を構築することができたため、次年度以降は円滑に調査を進めることが可能となった。次年度には当年の未実施分の調査、成果発表も併せて実施するように計画を修正している。
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