本研究は農村地域における知識創造の仕組みと促進要因を明らかににすることを目的に取り組んだ。自然資源保全や文化的知識を対象に調査・分析した結果,第一に,知識創造活動において立場や得意とする知識領域の異なるナレッジリーダーが複数存在し,知識の獲得や創造の方向づけ,知識共有や創造の場づくりの役割を担っていることが示された。第二に,このような主導的役割を果たすナレッジリーダーは,知識領域や活動特性により確保方法が異なることが示された。第三に,動機付けの視点から知識創造活動を促す方策を検討した結果,他者への知識披露やロールモデルの存在が内発的動機付けに影響していることが示された。
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