本研究は、水田転換畑における湿害を回避するため、圃場整備前後の地形解析、土壌調査、土壌水分、地下水位等の計測と比抵抗電気探査による地下での水の動きを計測することで地形改変箇所と湿害との関係を明らかにし、集落スケールでの水田輪作適地マップを作成することを目的とした。 最終年度は、前年度までに得られたダイズ作付け適地マップのプロトタイプをさらに深化させ、農業集落内の水田圃場全体を対象にした湿害の危険個所をマッピングし、輪作適地ゾーンに分類することを目的とした。 適地マップのプロトタイプの精度を高めるため、昨年と同様の農業集落の水田輪作圃場において、地下水位、水ポテンシャルの測定、電気探査を行った。これまでの観測結果と合わせて解析した結果、集落スケールでの地下水の水みちの推定位置と、圃場整備時の切土盛土箇所での水動態の観測から、圃場が立地する空間的位置の特徴と湿害の関係が明らかになった。これらの知見を基にして、農業集落内の水田圃場全体を対象にした湿害の危険個所を、深層学習を用いることで予測精度をより高めることに成功し、輪作適地ゾーンを分類を経て集落スケールでの水田輪作適地マップを作成した。
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